2022 7/8.9 neutral 孤明歴々地 at STARDUST
この度7周年の特別な節目に、neutral 北嶋竜樹さんをSTARDUSTに迎えて
2日間にわたる料理会を開催いたします。
食べるという行為をとおして、味覚や五感の瞬きによって描かれる
印象や記憶、感覚の情景風景を自身の作品と呼ぶ北嶋竜樹さん。
彼が纏う空気感や言葉の「neutral 」な波長はとてもさりげないのに、
向けられた対象や向かい合う相手の心に穏やかに波及して、何か大切な記憶を
呼び覚ましたり心地よく揺さぶるかのよう。
初めて北嶋さんと出会った日、いろんな話をしている間に確信を得た瞬間があって、
まだ彼の料理を食べる前でしたが、衝動的にこの食事会の約束をとりつけたのです。
その後、初めて北嶋さんの料理会に参加した時は、心が静かに沸き立つような感動を体験しました。
独自の視線と考察から具現化された彼の料理は、微細に振動する光を孕んでいるかのようであり
菜食という制限の中、目の前の世界はむしろ自由に広がっていくのです。
そんな北嶋さんがSTARDUSTの世界を彼なりに咀嚼した時に生まれる表現を、ますます見てみたくなりました。
さて、今回のテーマ、「孤明歴々地」は
数年前に訪れたお茶室の掛け軸に書かれていた禅語です。
「それぞれの場所から光り輝く」という意味を聞いて、人々の意識の普遍性に感動しました。
STARDUSTから発しているメッセージとも共鳴を感じて、以来、私の中で大切にしている言葉です。
この後、「孤明歴々地」については、北嶋さんが歴史的な詳細を含めより深く書き記してくださっていますので
ぜひご覧ください。
当日使う器は、中園晋作さんの作品です。この日のために準備してくださいます。
食材のエネルギーの輝きすらも感じさせてくれるような、美しい色彩を放つ中園さんの器は
オープン以来STARDUST の世界観を体現する重要な要素の一つと言って過言ではありません。
今回、北嶋さんの表現と中園晋作さんの器との出会いがどんな風景を見せてくれるのか、
こちらも期待していてくださいね。
以下、北嶋竜樹さんからのメッセージです。
美しい言葉で綴ってくださっています。
ぜひご覧ください。
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孤明歴々地とは、中国禅宗の一つ臨済宗の開祖臨済義玄の言行をまとめた「臨済録」に書き記されており、仏と魔についての話の中に出てきます。魔とは仏性を備え持つ自身の心を疑い信じないことであるとし、仏について「道流、即今面前孤明歴歴地(れきれきじ)に聴く者、此(こ)の人は処処に滞らず、十方に通貫し、三界に自在なり。」と示している。この言葉は、「今わたしの言葉を目の前で輝きをもって聴いている者」という意味で、これはあらゆる処に滞らず、十方の世界を貫いて自由である。という意味であります。どんな世界においても自由であることとは、己の中にある仏性(光)を信じ輝いていることだと説いた言葉です。
香那さんがこの言葉に心打たれたのも、彼女自身がこのスターダストという言葉と共に、オープンからずっと大切にしてきた個々の輝きや、人が本来もっている意識の普遍性を感じたからに他なりません。また京都という土地は臨済宗と縁が深く、京都五山も全て臨済宗の寺院であります。精進料理の研究をするわたしが、臨済宗妙心寺派の塔頭桂春院でのインスタレーションを終えた後、この言葉と共にスターダストという場所で会を開けることにもとても縁を感じています。
禅宗は悟りを開く事が目的とされており、知識ではなく、悟りを重んじています。禅宗における悟りとは「生きるもの全てが本来持っている本性である仏性に気付く」ことをいい、これは正にわたしが食のインスタレーションにおいて実践していることそのものであります。仏性というのは「言葉による理解を超えた範囲のことを認知する能力」のことであり、情報に頼らず自身の内側に描いたものを、ありのままアウトプットすることで、そのひとつひとつが光を纏い輝きを放つのだとわたしは思っています。
neutral 北嶋竜樹
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7/8.9 neutral 孤明歴々地 at STARDUST
日 時:2022年7月8日(金) ・ 9日(土)
時 間:① 11:00 ② 17:00
定 員:各会 6名様
会 場:STARDUST
住 所:京都市北区紫竹下竹殿町41
料 金:¥16,000(税別)
(参加申し込み方法)
ご参加希望の第一希望と第二希望をご明記の上メールにてお申し込みください。
(第2希望がなければ記入しなくても大丈夫です)
mail / info@stardustkyoto.com
事前のお振込のみのお支払いにて、ご予約完了とさせていただきます。詳細をお知らせいたしますので、参加ご希望の方は題名にneutral食事会参加希望とご明記の上お申し込みください。
食事のための食ではなく、食べるという行為を通じて、身体の内側から感じとる様々な要素から、
味覚の印象や記憶を残すだけでなく、それらがどのように形成され、また心身にどう作用するのかをミクロとマクロの視点から捉え、それらひとつひとつの思考や感覚を心象描写として映し出す、
体験に重点を置いた作品制作を行なっています。
食文化・宗教・哲学・文化人類学など、
あらゆる視点から捉えた文学的思考から着想したものは、
やがてそれぞれの社会や未来へと響き、調和的で、
新たな循環や還元を生み出していく心の滋養ような存在でありたいと考えています。
北嶋 竜樹 Ryuju kitajima
1983年大阪生まれ
2021年京都へ拠点を移し活動を開始